一本足打法
いっぽんあしだほう
一本足打法とは、打撃時に軸足一本で立ち、もう一方の足を高く上げてタイミングを取る独特な打撃フォームのことである。この打法を象徴する選手として王貞治氏が有名で、「世界の王」として知られる彼の代名詞的な技術となった。一本足打法の特徴は、足を高く上げることで体重移動のタメを大きく作り、その反動を利用して強力なスイングを生み出す点にある。軸足一本で立つため、バランス感覚と体幹の強さが求められる高度な技術である。王氏はこの打法で通算868本のホームランを記録し、日本プロ野球の不滅の記録を打ち立てた。メリットとしては、大きなタメから生まれるパワーと、足を上げるタイミングで投手の球筋を見極めやすい点が挙げられる。一方で、バランスを崩しやすく、変化球への対応が難しいというデメリットもある。そのため、この打法を完璧に使いこなせる選手は限られている。現代では王氏ほど極端に足を上げる選手は少ないが、レジェンド荒木雅博選手など、この打法を取り入れる選手も存在した。