打球方向

だきゅうほうこう

打球方向とは、打者が打った打球が飛んでいく方向を指す野球用語である。右打者の場合、三塁側方向への打球を「引っ張る」、一塁側方向への打球を「流す」または「逆方向」、二塁方向への打球を「センター返し」と表現する。左打者の場合はこれが逆になる。打球方向は打者の技術レベルやバッティングスタイルを示す重要な指標であり、優れた打者は配球や投手の球種に応じて打球方向を打ち分ける能力を持つ。また、守備側は打者の傾向や打球方向の癖を分析し、守備位置を調整する「シフト」を敷くことがある。近年のデータ野球の発展により、打球方向の分析はより精密になり、スプレーチャートなどで視覚化されることも多い。打球方向のコントロールは、打者にとって単なる技術ではなく、状況に応じた戦略的な打撃を可能にする重要なスキルとなっている。