振りかぶる

ふりかぶる

投手が投球動作において、両手を頭上に高く上げてから腕を後方に引く動作を指す用語である。ワインドアップモーションの特徴的な動作で、走者がいない場合や盗塁の心配がない状況で使用されることが多い。振りかぶる動作により、全身の力を使った投球が可能となり、球速やコントロールの安定性が高まるとされる。クラシックな投球フォームとして認識されており、昭和期の投手は大きく振りかぶる投球が一般的であった。振りかぶる動作には投手のリズムを作る効果もあり、自分のペースで投球に入ることができる。一方で、動作が大きいため投球までの時間がかかり、走者がいる場合には盗塁を許しやすくなるデメリットがある。そのため現代野球では走者がいない状況でのみ振りかぶり、走者が出るとセットポジションに切り替える投手が主流である。振りかぶる高さや大きさは投手によって異なり、高く大きく振りかぶる投手もいれば、比較的コンパクトに振りかぶる投手もいる。振りかぶらずに投げるノーワインドアップの投球スタイルを採用する投手も存在する。