野球用語辞典

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偵察

ていさつ

偵察とは、対戦相手の情報を事前に収集し分析する行為であり、野球における重要な戦略活動の一つである。スカウトや分析担当者が相手チームの試合を観察し、投手の球種や配球パターン、打者の得意不得意、守備位置、走塁傾向などの詳細なデータを収集する。現代野球では映像分析が主流となり、過去の対戦データや他チームとの試合映像から情報を抽出する。投手については、どのカウントでどの球種を投げる傾向があるか、決め球は何か、疲労時の球速変化などが分析される。打者については、インコースアウトコースの得手不得手、高めと低めの対応力、変化球への反応などが調査される。この情報は試合前のミーティングで共有され、配球や守備シフト代打起用などの戦術に活用される。ただし、相手も対策を講じてくるため、偵察情報と実際の試合展開が異なることもある。プロ野球では各球団に専門の分析スタッフがおり、膨大なデータを処理して戦略立案に貢献している。偵察能力の高さがチームの勝敗を左右することも少なくない。