配球

はいきゅう

配球とは、投手と捕手が打者を打ち取るために、球種とコースを組み合わせて投球を組み立てることを指す。単に一球一球を投げるのではなく、前の投球が次の投球を活かすように戦略的に投球を配置することから「配球」と呼ばれる。優れた配球には、打者の特徴(強打の方向、苦手な球種、弱点となるコースなど)の分析、カウント状況の把握、試合展開の考慮、投手の調子や持ち球の把握など、多くの要素が含まれる。基本的な配球のセオリーとしては、外角と内角を使い分けること、高低の変化をつけること、速球と変化球を織り交ぜることなどがある。例えば、外角にストレートを続けて打者の意識を外に向けさせた後、内角の速球で詰まらせるという配球は古典的だが効果的である。また、初球はストライクを取りに行く、追い込んでから勝負球を投げる、といったカウント別の配球も重要である。近年ではデータ分析が進み、打者の傾向に基づいた科学的な配球が主流になってきている。しかし、あまりにセオリー通りだと打者に読まれるリスクもあるため、時には意表を突く配球も必要とされる。配球の責任は主に捕手にあるが、投手との信頼関係と意思疎通が何より重要である。