コース
こーす
コースとは、投手が投げるボールがホームプレート上のどの位置を通過するかを示す概念です。ストライクゾーンは一般的に9分割され、内角高め、内角真ん中、内角低め、真ん中高め、ど真ん中、真ん中低め、外角高め、外角真ん中、外角低めに分類されます。投手にとって、コースを投げ分ける能力、つまり制球力は最も重要な技術の一つです。同じ球速の速球でも、コースによって打者の打ちやすさは大きく変わります。一般的に、外角低めや内角低めは打者が打ちにくく、ど真ん中は最も打ちやすいとされています。配球とは、このコースを効果的に使い分けることで、打者を打ち取る戦略のことです。例えば、内角で詰まらせた後に外角で空振りを誘うなど、コースの組み合わせで打者のタイミングを外します。審判によるボールとストライクの判定も、コースによって微妙に異なることがあり、投手と捕手は審判の判定傾向を見極めながら投球を組み立てます。近年では、投球データの分析により、各コースでの打者の成績が詳細に記録されており、打者の苦手なコースを狙った配球が行われています。コースの使い分けは、野球における投打の駆け引きの核心部分であり、試合の勝敗を左右する重要な要素です。