ボール
ぼーる
ボールとは、野球において複数の意味を持つ基本的な用語である。第一に、野球で使用される球そのものを指す。公認野球規則では、ボールは円周22.9センチメートルから23.5センチメートル、重さ141.7グラムから148.8グラムと規定されている。ボールの中心にはコルクとゴムが使われ、その周りに毛糸が巻かれ、表面は白色の馬革または牛革で覆われている。表面には108針の赤い糸で縫い目(シーム)がつけられており、この縫い目が投手の握り方や球の変化に影響を与える。第二に、「ボール」は投手の投球判定の一つを指す。投球がストライクゾーンを通過せず、かつ打者がスイングしなかった場合、審判は「ボール」と判定する。ボールが4つ累積すると「フォアボール」(四球)となり、打者は一塁への出塁が認められる。審判はボールを宣告する際、通常は声だけで「ボール」と告げ、特別なジェスチャーは行わない。ボールカウントが増えると投手にとって不利な状況となり、打者有利のカウントでは打ちやすい球が来る可能性が高まる。「3ボール」の状況は投手にとってプレッシャーがかかる場面であり、次の1球でボールを投げるとフォアボールとなってしまう。投手は、ストライクとボールを巧みに使い分けることで打者を翻弄し、有利なカウントを作り出す技術が求められる。