四球
しきゅう
四球とは、フォアボールの日本語表記であり、投手が一人の打者に対して4つのボール判定の投球を行うことで、打者が一塁への出塁を認められるルールを指す。「四球」という名称は、4つのボール(four balls)から来ている。打者は投手の投球を見極め、ストライクゾーンを外れた投球に対してスイングしないことで、ボールカウントを3-0、3-1、3-2と進めていき、最終的に4つ目のボールを得ることで一塁に進むことができる。四球で出塁した場合、これは安打ではなく、打数にカウントされないため、打率には影響しない。しかし、出塁したことには変わりないため、出塁率や得点機会の創出には貢献する。投手にとって四球は、制球力の欠如や精神的なプレッシャーの表れとみなされることが多く、特に走者を出した後の四球は大きなピンチを招く要因となる。四球には「故意四球」(敬遠)と「非故意四球」があり、故意四球は戦略的に危険な打者との対決を避けるために行われる。プロ野球では、試合中の四球数は投手の評価指標として記録され、「与四球率」(9イニングあたりの四球数)などの統計が用いられる。打者の視点からは、四球を選ぶことは「投手に球数を投げさせる」「打線をつなぐ」という重要な役割を果たし、特にリードオフマン(先頭打者)にとって四球での出塁は試合の流れを作る重要な要素となる。四球は野球における攻守の心理戦の一つであり、投手と打者の我慢比べの結果とも言える。