一塁
いちるい
一塁とは、野球のダイヤモンド上に配置された4つのベースのうち、本塁から見て右側(右打者から見て打球方向の右側)に位置する最初のベースを指す。英語では「first base」と呼ばれ、本塁から27.431メートル(90フィート)の距離にある。一塁ベースは38.1センチメートル四方の白いキャンバス製クッションで、地面に固定されている。打者はボールを打った後、まず一塁を目指して走り、一塁に到達すればセーフとなり走者となる。一塁は打者が最初に到達するベースであるため、野球において最も頻繁にプレーが発生する場所の一つである。一塁を守備する選手は「一塁手」(ファーストベースマン)と呼ばれ、内野ゴロの処理や他の内野手からの送球を受ける重要な役割を担う。一塁には「駆け抜け」が認められており、打者走者はベースを踏んだ後もファウルゾーンに走り続けることができる。また、一塁走者は投手の牽制球に注意しながらリードを取り、盗塁のタイミングを図る。一塁コーチが一塁ベース付近に立ち、走者に指示を出す。「一塁への送球」「一塁ベースカバー」など、守備戦術においても一塁は重要な地点である。内野ゴロの処理速度と一塁への正確な送球が、アウトかセーフかを分ける決定的な要素となる。