シーム
しーむ
シームは、野球ボールの表面にある縫い目のことを指す。硬球は2枚の革を108針で縫い合わせて作られており、この縫い目が赤い糸で施されている。シームは単なる装飾ではなく、投手が様々な変化球を投げる際に非常に重要な役割を果たす。投手はシームの向きや握り方を変えることで、ボールに異なる回転をかけ、カーブ、スライダー、フォークなど多彩な球種を投げ分けることができる。例えば、フォーシーム(4シーム)は4本の縫い目が進行方向に垂直に回転するように投げられ、最も速い直球となる。一方、ツーシーム(2シーム)は2本の縫い目が回転する投げ方で、若干沈む軌道を描く。また、シームの高さや状態は空気抵抗に影響を与え、ボールの軌道を変化させる。打者にとっても、投手がどのようにシームを握っているかを観察することで、次に来る球種を予測する手がかりとなる。このように、シームは野球の技術と戦略の根幹をなす重要な要素である。