カーブ

かーぶ

カーブとは、投手が投げる変化球の中で最も歴史が古く、大きな弧を描いて曲がりながら落ちる軌道が特徴的な球種である。英語でも「カーブ」または「カーブボール」と呼ばれる。握り方は人差し指を縫い目にかけ、中指と親指でボールを挟むようにし、リリース時に手首を内側に捻りながら抜くことで、強いトップスピン回転をかける。この回転により、ボールは重力以上に下方向へ曲がり、さらに横方向(右投手なら左方向)にも変化する。カーブの最大の特徴は、球速が遅く(平均100~120キロ程度)、変化量が大きいことである。打者との速度差を利用してタイミングを外すことが主な目的で、ストレートとの組み合わせで効果を発揮する。カーブには様々な種類があり、縦方向への変化が大きい「縦カーブ」、横方向への変化が大きい「スライダー的なカーブ」、極端に遅い「スローカーブ」、さらには鋭く曲がる「ナックルカーブ」など、投手によって多様なバリエーションが存在する。かつては変化球の代表格として君臨していたが、現代野球ではスライダーやフォークなどの他の変化球に主役の座を譲りつつある。しかし、緩急を使った投球スタイルや、配球の幅を広げるために依然として重要な球種として使用されている。