野球用語辞典

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速度差

そくどさ

速度差は、投手が投げる異なる球種間の球速の差を指す。特にストレート変化球の間の速度差は、打者のタイミングを外す上で極めて重要な要素となる。例えば、時速150キロのストレートと時速130キロのチェンジアップを投げ分けることで、20キロの速度差が生まれ、打者は一つのタイミングでは対応できなくなる。速度差が大きいほど、打者は球種の判断が難しくなり、空振りや凡打を誘いやすくなる。ただし、速度差だけでなく、リリースポイントや腕の振りが同じであることも重要で、これらが異なると打者は早い段階で球種を見極めてしまう。現代野球では、速度差を効果的に使うことが投球術の基本とされており、配球の組み立てにおいて中心的な考え方となっている。変化球の種類を増やすよりも、速度差のある球を使い分ける方が効果的な場合も多い。また、同じ変化球でも、速度を変えて投げることで、さらに打者を惑わせることができる。速度差を活かした投球は、球速がそれほど速くない投手でも、打者を抑える有効な手段となる。配球の妙と言われる技術の多くは、この速度差の活用にある。