ストレート
すとれーと
ストレートとは、投手が投げる球種の中で最も基本的な直球を指す。英語では「ファストボール」と呼ばれ、変化球に対する「速球」という意味でも使われる。投手の持ち球の中で最も球速が速く、打者との勝負球として最も頻繁に使用される球種である。ストレートは大きく分けて「フォーシーム」と「ツーシーム」の2種類に分類される。フォーシームは縫い目が4本見える握りで投げるボールで、回転数が多く、バックスピンによる揚力で打者の手元まで伸びるような軌道を描く。一方、ツーシームは縫い目が2本見える握りで、フォーシームよりも球速はやや劣るが、沈むような変化や横方向への微妙な変化を伴う。ストレートの質を決める要素は、球速、回転数、そしてリリースポイントの高さである。一般的に時速140キロ以上のストレートは速球とされ、プロ野球では150キロ以上、MLBでは95マイル(約153キロ)以上が本格派投手の基準とされる。近年の野球では、球速だけでなく「ホップ成分」と呼ばれる回転による揚力も重視されており、打者の空振りを誘うためには高回転のストレートが有効とされている。ストレートは全ての球種の基礎であり、配球の起点となる最重要な球種である。