野球用語辞典

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ファストボール

ふぁすとぼーる

ファストボールとは、投手が投げる球種の中で最も速度が速い直球系の球種の総称である。日本では「ストレート」「直球」とも呼ばれる。ファストボールには、フォーシームファストボール(四縫い)、ツーシームファストボール(二縫い)、ムービングファストボールなどの種類がある。フォーシーム縫い目が4つ見える握りで投げられ、最も速度が出やすく、バックスピンによってボール浮き上がるような軌道を描く。ツーシーム縫い目が2つ見える握りで、わずかに沈んだり横に動いたりする特性がある。プロ野球では、速いファストボールを持つ投手が有利とされ、150km/h以上を投げられる投手は貴重な存在として評価される。メジャーリーグでは160km/h以上を記録する投手も存在し、日本人投手では大谷翔平が165km/hを超える球速を記録している。しかし、ファストボールの価値は速度だけでなく、制球力回転数リリースポイント、他の球種との組み合わせによって決まる。近年の研究では、ファストボール回転数(スピンレート)が重要視されており、高い回転数空振りを奪いやすいことが明らかになっている。投手によってはファストボールを主体に組み立てるパワーピッチャーと、変化球を主体に組み立てるテクニシャンタイプに分かれる。どちらのタイプでも、基本となるファストボールの質が投球全体の効果を左右する。