ツーシーム
つーしーむ
ツーシームとは、ストレートの握り方の一種で、ボールの縫い目(シーム)が投球時に2本見えることからこの名称で呼ばれる。英語では「ツーシームファストボール」と表記される。人差し指と中指を縫い目に沿って平行にかけて握り、フォーシームと比べて回転軸が若干傾くことで、打者の手元で沈んだり、横方向に微妙に変化したりする特性を持つ。この「動き」により、打者の芯を外してゴロを打たせる効果があり、ゴロアウトを狙う投手に好まれる球種である。ツーシームの球速はフォーシームよりも2~5キロ程度遅いことが一般的だが、その分変化量が大きくなる傾向がある。変化の方向は投手の腕の振りや指のかかり方によって異なり、利き腕側に曲がるシュート回転や、下方向に沈むシンカー的な変化をするものなど様々である。近年のMLBでは、ツーシームを主戦武器とする投手が増えており、特にゴロを打たせてダブルプレーを狙う場面や、カウントを悪くせずに打たせて取る投球スタイルで重宝されている。日本のプロ野球でも、かつて「シュート」や「シンカー」と呼ばれていた球種の多くが、実際にはツーシームであることが計測技術の発達により明らかになっている。フォーシームとの使い分けが投球の幅を広げる重要な球種である。