ホップ成分
ほっぷせいぶん
ホップ成分とは、投球されたボールが重力に逆らって浮き上がろうとする力の大きさを表す指標で、単位はインチで表される。厳密には物理的にボールが浮き上がるわけではなく、重力による落下量が少ないことを意味する。トラックマンなどの計測機器で測定され、理論上の重力のみによる落下軌道と、実際のボールの軌道との差分として算出される。一般的に、スピン率が高く、バックスピン成分が多い速球ほどホップ成分が大きくなり、打者からすると「伸びのある球」「浮き上がってくる球」として認識される。メジャーリーグの平均的な速球のホップ成分は15-17インチ程度で、18インチを超えると高いホップ成分を持つと評価される。ホップ成分が大きい投手は、打者の空振りを奪いやすく、特に高めのゾーンで効果を発揮する。リリースポイントの高さ、腕の振りの角度、スピン軸の傾きなどによってホップ成分は変化し、投球フォームの改善によって意図的に増加させることも可能である。