スピン軸
すぴんじく
スピン軸は、投球されたボールが回転する際の回転軸の方向を示す概念である。ボールがどの方向を軸として回転しているかによって、球の変化の仕方が大きく変わる。例えば、ストレートは縦方向のバックスピン(下から上への回転)が理想的で、スピン軸が地面に対して垂直に近いほどボールに浮き上がるような軌道が生まれる。変化球の場合、スライダーは斜め方向のスピン軸を持ち、カーブはより縦に近いスピン軸、シュートは横方向のスピン軸を持つ。スピン軸の傾きを示す角度は「スピン軸の傾き」として数値化され、0度は完全なバックスピン、180度は完全なトップスピンを意味する。近年のトラッキング技術により、投球のスピン軸を正確に測定できるようになり、投手はより効果的な球質を追求するためにスピン軸の調整に取り組んでいる。同じ球速でもスピン軸の違いによって打者の体感速度や打ちやすさが大きく変わるため、投手育成において重要な要素となっている。