トラッキング
とらっきんぐ
トラッキングとは、投球や打球の軌道を光学センサーやレーダー技術を用いて追跡・計測するシステムの総称である。メジャーリーグではStatcast、日本プロ野球ではTrackmanなどのシステムが導入されており、投手の球速、回転数、回転軸、リリースポイント、打者の打球速度、打球角度、飛距離などを正確に測定することができる。これらのデータは選手の能力評価やスカウティング、戦略立案に活用され、現代野球における分析の根幹を成している。トラッキングデータによって、従来は感覚的に語られていた投球の「キレ」や打球の「質」を数値化することが可能となり、選手育成やチーム戦略の科学的アプローチが飛躍的に進化した。また、ファンに対してもより深い野球観戦体験を提供する重要なツールとなっている。投球のスピンレートや打球のイグジットベロシティなど、トラッキングによって得られる指標は、野球における新たな評価基準として定着しつつある。