投球分析
とうきゅうぶんせき
投手の投球内容を科学的、統計的に解析し、パフォーマンス向上や戦略立案に役立てる手法のこと。従来は球速、球種、コースなど基本的な情報のみが記録されていたが、トラックマンやラプソードなどの高度な計測機器の登場により、回転数(rpm)、回転軸、回転効率、リリースポイント、変化量、球質(揚力)などの詳細なデータが取得可能になった。これらのデータを解析することで、投手の強みと弱点を客観的に把握し、球種開発やフォーム改善に活かすことができる。また、対戦相手の投手データを分析することで、打者は効果的な攻略法を見出すことも可能である。近年ではAIや機械学習を用いた高度な分析も行われており、怪我のリスク予測や最適な登板間隔の算出なども研究されている。プロ球団ではアナリストやデータサイエンティストが専任で配置され、投球分析が戦略の中核を担うようになっている。現代野球における競争力向上に不可欠な要素である。