野球用語辞典

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スローカーブ

すろーかーぶ

スローカーブとは、カーブの中でも特に球速が遅く、大きな弧を描いて落ちる軌道が特徴的な変化球である。英語では「スローカーブ」または「スローカーブボール」と呼ばれる。通常のカーブが100~120キロ前後であるのに対し、スローカーブは80~100キロ前後と極端に遅い。握り方は通常のカーブと大きな違いはないが、リリース時により強く回転をかけ、ボールの軌道を高く放物線状にすることで、ゆったりとした変化を生み出す。スローカーブの最大の武器は、ストレートや他の変化球との極端な速度差である。打者がストレート(140~150キロ)を予測していると、スローカーブ(90キロ前後)との速度差は50~60キロにも達し、完全にタイミングを崩される。また、高い軌道から大きく落ちる変化により、打者の目線を上下に動かす効果もある。スローカーブは主に緩急を使った投球スタイルの投手や、多彩な球種を操る技巧派投手が使用する。カウントを整える場面や、打者の意表を突く場面で効果的である。ただし、球速が遅いため長打を打たれるリスクもあり、使用する場面の見極めが重要となる。かつてはウォーレン・スパーンやバリー・ジトなどMLBの名投手が武器としていた。緩急の極致とも言える変化球である。