野球用語辞典

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技巧派

ぎこうは

技巧派とは、球速や力任せの投球ではなく、制球力、配球の巧みさ、多彩な変化球を駆使して打者を打ち取る投手のタイプを指す。技巧派投手は、ストレートの球速が150キロ未満であることが多いが、その分、正確なコントロールボールの出し入れ、緩急の使い方、打者心理の読みなど、高度な投球技術を持つ。代表的な技巧派投手として、グレッグ・マダックス、和田毅、黒田博樹などが挙げられる。技巧派の投球スタイルは、同じコースに同じ球種を続けて投げず、打者のタイミングを外すことを重視する。また、カウントの取り方が上手く、ストライクゾーンの際どいコースに投げ分けることで、打者を凡打に抑える。ストレートチェンジアップ速度差スライダーカーブなど複数の変化球を操り、打者を翻弄する。技巧派投手は球速が遅いため、一発長打を浴びるリスクはあるが、四球が少なく、試合を作る能力に優れていることが多い。また、投球フォームの安定性や省エネな投げ方により、長いイニングを投げられることも特徴である。対照的な投手タイプとして「パワーピッチャー」があり、こちらは速球とパワーで押す投球スタイルを指す。技巧派は経験と知識が重要なため、年齢を重ねても活躍できる投手が多く、長いキャリアを築く傾向がある。