軟打

なんだ

軟打とは、強い打球ではなく柔らかく緩い打球を意図的に打つ打撃技術のことを指す。バントほど明確に緩くはないが、フルスイングではなくミートを重視した打撃で、内野の頭を越えるような軟らかい打球や、野手の間を抜ける弱い打球を狙う。軟打は特に巧打者や技巧派打者が得意とする技術であり、力任せの打撃では対応できない場面で有効である。守備シフトが敷かれている場合に、あえて野手のいない方向に軟らかく打つことで安打にする戦術もある。また投手の速球に詰まらされそうな場面で、あえて力を抜いて軟らかく打ち返すことで、野手の間に落とす技術も軟打に含まれる。日本の野球では、この軟打の技術が特に重視され、「小技が効く」「つなぎの打撃」として評価されてきた。軟打は単なる偶然のラッキーヒットとは異なり、打者が意図的にコントロールして行う高度な技術である。変化球への対応や、配球を読んで逆方向に流し打つ際にも軟打の技術が活用される。現代野球では長打重視の傾向が強まっているが、状況に応じた軟打の重要性は依然として高く評価されている。