巧打
こうだ
巧打とは、パワーよりも技術を重視した打撃スタイルで、バットコントロールに優れ、状況に応じて巧みに打球を配分する能力を指す。巧打者は単にヒットを打つだけでなく、右方向への流し打ち、内野の間を抜く打球、進塁打、犠打など、チームの状況に応じた多彩な打撃技術を持つ。ホームランなどの長打力よりも確実性とコンタクト能力が重視され、高い打率を残すことが多い。巧打者はボールをよく見極め、際どいコースでもバットに当てる技術や、インコース・アウトコースを打ち分ける技術に長けている。日本プロ野球では1番打者や2番打者に巧打者が配置されることが多く、出塁率を高めてチャンスメイクする役割を担う。また、走者を進める技術や、相手守備のシフトを崩す打球を放つ能力も巧打の一部とされる。アベレージヒッターとも呼ばれ、年間打率3割以上を残す選手には巧打者が多い。プルヒッターと対比される概念であり、野球における打撃の多様性を示す重要な要素である。