間
ま
間とは、野球における動作と動作の間に生じる時間的な余裕やタイミングの取り方を指す、日本独特の技術概念である。打撃においては、投手のリリースからインパクトまでの「間」が重要で、焦らずにボールを引きつけることで、変化球や緩急に対応できる。「間を取る」「間を作る」という表現は、急がずに適切なタイミングを見極めることを意味する。投手においても、投球動作の中での「間」が重要で、打者のタイミングを外すために、意図的にテンポを変えたり、セットポジションで「間」を置いたりする。また、守備では、ゴロを処理する際に「間を取る」ことで、バウンドを合わせて確実に捕球する技術がある。「間」は単なる時間的な遅延ではなく、次の動作への準備、相手の観察、心の落ち着きなど、複合的な要素を含んでいる。日本の野球文化では、この「間」の使い方が技術の巧拙を分ける重要な要素とされ、ベテラン選手ほど「間」の取り方が上手いとされる。プロ野球の名選手たちは、それぞれ独自の「間」を持っており、それが個性となっている。「間」を制する者が試合を制すると言われるほど、野球における「間」は奥深い技術概念である。