アオダモ
あおだも
アオダモとは、野球のバット材として最高級とされる木材であり、モクセイ科トネリコ属の落葉広葉樹である。主に北海道や本州の冷涼な山地に自生し、硬く粘り強い材質が特徴である。アオダモは、木目が緻密で弾力性に優れ、打球時の衝撃を吸収しながらも優れた反発力を発揮するため、プロ野球選手に愛用される。特にメジャーリーグで使用されるメイプル材と比較しても、しなりがあり、日本人選手の体格や打撃スタイルに適しているとされる。しかし、アオダモは成長が遅く、バット材として使用できるまでに70年から80年かかるため、資源の枯渇が深刻な問題となっている。このため、アオダモの植樹活動や保護活動が、プロ野球選手会や関係団体によって推進されている。近年では、環境保護の観点から、竹バットや複合素材バットの開発も進められているが、天然木の感触を好む選手も多い。アオダモのバットは、職人の手によって丹念に加工され、選手一人ひとりの好みに合わせたオーダーメイドが可能である。野球文化とアオダモは深く結びついており、その保護は未来の野球のためにも重要である。