木製バット
もくせいばっと
木製バットとは、天然木材を削り出して作られた野球用バットのことで、プロ野球では必ず使用が義務付けられている。主な材質としては、アオダモ、メイプル、ホワイトアッシュ、バーチなどが使用され、それぞれ硬度や重量、打感が異なる。日本では伝統的にアオダモが最高級材として珍重されてきたが、近年は資源の枯渇もあり、メイプル材の使用が増加している。木製バットの最大の特徴は、金属バットに比べて反発力が低く、芯を外すと打球が飛びにくい点である。そのため、正確なミート技術と強いスイングが求められ、打者の真の実力が試される。木製バットで打った時の音は「カーン」という乾いた音であり、金属バットの「カキーン」という音とは明確に異なる。また、木製バットは折れることがあり、投手の内角攻めに対して詰まらされたり、芯を大きく外したりすると破損する。そのため、プロ野球選手は複数のバットを用意し、状態を確認しながら使用している。木製バットは使い込むことで手に馴染み、打者の感覚と一体化していく道具であり、多くの打者が自分専用のバットに強いこだわりを持っている。