反発係数
はんぱつけいすう
反発係数は野球において、ボールとバットが衝突した際にボールが跳ね返る力の大きさを表す数値である。物理学的には、衝突前後の相対速度の比率で定義され、0から1の間の値をとる。1に近いほど反発力が強く、ボールはより速く、より遠くまで飛ぶことになる。野球規則では、使用するボールの反発係数に上限が設けられており、これは競技の公平性を保つための重要な基準となっている。日本のプロ野球では、過去に反発係数の異なるボールが使用されたことで論争が起きた。特に2011年から2012年にかけて、統一球として反発係数の低いボールが導入された際には、本塁打数が大幅に減少し、投高打低の傾向が顕著になった。その後、2013年に反発係数がやや高めに調整されたが、事前の告知が不十分だったことで問題となった。反発係数はボール自体の材質や製造方法だけでなく、バットの材質や形状にも影響される。木製バットと金属バットでは反発係数が異なり、金属バットの方が一般的に高い反発力を持つため、高校野球までは金属バットの使用が認められているが、プロ野球では木製バットの使用が義務付けられている。反発係数の管理は、野球というスポーツの特性を保つ上で極めて重要な要素である。