野球用語辞典

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投高打低

とうこうだてい

野球において投手の成績が全体的に良く、打者の成績が全体的に低い状態を表す用語である。リーグ全体の傾向として投手が優位に立ち、打率や得点が低くなる時代や環境を指す。投高打低の時代には防御率が低く抑えられ、完封試合が増加し、打率が2割台前半でもリーグ上位に入るような状況が生まれる。この現象が起こる原因は複数あり、ボールの規格変更、ストライクゾーンの拡大、球場環境の変化、投手の技術向上、打撃技術の停滞などが挙げられる。日本プロ野球では時代によって投高打低打高投低が繰り返されており、2000年代後半から2010年代にかけては投高打低の傾向が顕著であった。投高打低の時代には低得点の投手戦が増え、1点を争う緊迫した試合展開が多くなる。観客動員や興行的な観点からは派手な打撃戦を好む声もあり、リーグ側が意図的にボール反発係数を調整するなどして投打のバランスを取ろうとすることもある。投高打低投手有利とも表現され、その逆は打高投低または打者有利と呼ばれる。