防御率
ぼうぎょりつ
防御率とは、投手が9イニングあたりに許す自責点の平均を示す指標である。英語では「Earned Run Average」、略して「ERA」と表記される。防御率は投手の能力を評価する最も基本的かつ重要な指標の一つであり、低いほど優秀な投手とされる。計算式は「自責点×9÷投球回数」で求められる。例えば、180イニングを投げて60自責点を許した投手の防御率は、60×9÷180=3.00となる。プロ野球では、防御率3.00未満が優秀、2.00未満が非常に優秀とされ、防御率1点台を記録する投手はエース級の実力を持つ。逆に、防御率が5.00を超えると一軍での登板が難しくなる。防御率は投手個人の能力を測る指標であるが、球場の特性やリーグ全体の得点環境、味方の守備力などの外部要因にも影響を受ける。そのため、近年では「FIP」や「WHIP」など、より純粋に投手の能力を測る指標も注目されている。また、先発投手と救援投手では求められる防御率の水準が異なり、救援投手はより低い防御率が期待される傾向にある。シーズン終了時には、各リーグで最も低い防御率を記録した投手に「最優秀防御率」のタイトルが与えられ、投手にとって最高の栄誉の一つとされている。防御率は試合ごとに変動するため、投手は常に自責点を最小限に抑える投球が求められる。