失点
しってん
失点とは、投手が登板している間に相手チームに許した得点の総数を指す。英語では「Runs Allowed」または「Runs」と表記される。失点には、その投手が出塁させた走者が他の投手の登板中に生還した場合も含まれる。例えば、先発投手が走者を出した後に降板し、その走者が救援投手の登板中に得点した場合、その得点は先発投手の失点として記録される。失点は投手の成績を評価する基本的な指標であり、失点の多寡は試合の勝敗に直結する。ただし、失点の中には味方のエラーによって発生した得点も含まれるため、投手の実力を正確に評価するには「自責点」という指標が用いられる。自責点は投手自身の責任による失点のみをカウントするため、より公平な評価が可能となる。失点と自責点の差が大きい場合、味方の守備力が低い、またはエラーが多いことを示唆する。プロ野球では、先発投手が1試合で2~3点の失点に抑えることが一般的に求められ、5点以上の失点は炎上と呼ばれる。また、失点率や防御率といった指標は、失点を基に計算され、投手の安定性や能力を測る重要な数値となる。チーム全体の失点数は、投手陣の総合力を示すバロメーターであり、優勝争いをするチームは失点を最小限に抑えることが不可欠である。