失策

しっさく

失策とは、野手が通常の守備技量で処理できるはずの打球や送球を失敗し、その結果として打者が出塁したり走者が余分に進塁した場合に記録される守備上のミスを指す。英語では「Error」と呼ばれ、日本では「エラー」とも表現される。失策の判定は公式記録員が行い、平均的な技量を持つ野手であれば処理できたと判断されるプレーを失敗した場合に記録される。失策には複数のパターンがあり、ゴロやフライの捕球ミス、送球の悪送球やワイルドスロー、走者へのタッチミスなどが含まれる。また、捕手がストライクゾーンの球を捕球できなかった場合は「捕逸」として記録される。失策は投手の成績計算において重要な意味を持ち、失策に起因して出塁した走者が生み出した失点は、投手の自責点としてカウントされない。このため、投手の防御率に直接影響しない。一方で、失策で出塁した打者には安打が記録されず、打率にも影響しない。守備側にとって失策は試合の流れを変える重大な要因であり、相手に余分な攻撃機会を与えることで失点のリスクを高める。守備力の評価指標である守備率は、守備機会に対する失策の少なさで計算され、優れた守備者ほど失策が少ない傾向がある。