自責点
じせきてん
自責点とは、投手自身の責任によって相手チームに与えた得点を指す。英語では「Earned Run」、略して「ER」と表記される。自責点は投手の実力を評価する上で最も重要な指標の一つであり、防御率の計算に用いられる。失点との違いは、味方のエラーや捕逸によって発生した得点を除外する点にある。具体的には、エラーがなければ出塁や進塁、得点が起こらなかったと判断される場合、その得点は自責点から除外される。ただし、投手自身のエラーや牽制悪送球は投手の責任とみなされ、自責点に含まれる。また、暴投による進塁や得点も自責点として扱われるが、捕逸による場合は自責点には含まれない。自責点の判定は記録員が行い、エラーが起こった後のプレーを仮想的に再構成して、エラーがなかった場合の状況を想定する必要があるため、時に複雑な判断を要する。プロ野球では、投手の能力を測る際に失点よりも自責点が重視される傾向にある。これは、エラーは投手のコントロール外の要因であり、投手自身の技術や能力を純粋に評価するには自責点が適しているためである。優秀な投手は1試合あたりの自責点を2点以下に抑えることが多く、シーズンを通じて低い自責点を維持することが求められる。防御率は自責点を基に算出されるため、自責点の管理は投手にとって最も重要な課題の一つである。