被安打
ひあんだ
被安打とは、投手が打者に安打を許した回数を示す投手成績の基本指標である。シングルヒット、二塁打、三塁打、本塁打のすべてが被安打として記録され、四死球やエラーによる出塁は含まれない。被安打数は投手の実力を測る重要な要素であり、一般的に被安打が少ないほど優秀な投手とされる。9イニングあたりの被安打数を示す「WHIP」(Walks plus Hits per Inning Pitched)は、投手評価において広く用いられる指標である。被安打の内容も重要で、単打が多いのか長打が多いのかによって投手の課題が異なってくる。近年の分析では、被安打数そのものよりも、被安打の質(打球速度や打球角度)に注目が集まっており、運の要素を排除した投手能力の評価が進んでいる。完投型投手の減少や中継ぎ投手の重要性増大により、被安打数の評価も変化しつつあるが、打者に安打を許さないことが投手の基本的な役割であることに変わりはなく、被安打数は今後も投手成績の中核的指標であり続けるだろう。