ERA
いーあーるえー
ERAとは「Earned Run Average」の略で、日本語では「防御率」と訳される。投手の失点の少なさを示す最も基本的な指標である。計算式は、(自責点×9)÷投球回数で求められる。つまり、その投手が9イニング(1試合分)を投げた場合に、平均して何点の自責点を許すかを示している。自責点とは、守備のエラーや捕逸によらない、投手の責任による失点のことである。ERAが低いほど優れた投手とされ、プロ野球では防御率2点台以下であれば優秀、1点台なら非常に優秀と評価される。防御率のタイトルは、規定投球回数に達した投手の中で最も低い防御率を記録した投手に与えられる。日本プロ野球では、防御率1点台を記録することは非常に難しく、達成した投手は高く評価される。メジャーリーグでも同様で、防御率2.50以下はエース級の成績とされる。ただし、ERAには限界もある。守備力の影響を完全には排除できないこと、運の要素が含まれること、投手の制球力や奪三振能力を直接反映しないことなどが指摘されている。そのため、近年ではFIP(Fielding Independent Pitching)など、守備の影響を排除した指標も重視されるようになっている。それでも、ERAは投手の総合的な成績を示す指標として、今でも最も広く使われている。