野球用語辞典

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守備率

しゅびりつ

守備率は野手の守備力を示す基本的な統計指標であり、英語ではフィールディングパーセンテージ(Fielding Percentage)と呼ばれる。計算式は(刺殺数+補殺数)÷(刺殺数+補殺数+失策数)で求められ、通常は小数点以下3桁で表示される。例えば守備率.985というのは、1000回の守備機会のうち985回を成功させ、15回失策したことを意味する。守備率が高いほど確実な守備をしていることを示すが、この指標にはいくつかの限界がある。まず、守備範囲の広さは反映されない。守備範囲が狭い選手は難しい打球に触れる機会が少ないため、失策も少なくなり守備率が高くなる傾向がある。逆に守備範囲が広く、積極的にプレーする選手は難しい打球にも挑戦するため、失策の機会も増える。また、判定の主観性も問題となる。エラーヒットかの判定は記録員の判断に委ねられるため、球場や記録員によって基準が異なることがある。このような理由から、近年はUZR(アルティメット・ゾーン・レーティング)やDRS(ディフェンシブ・ランズ・セーブド)など、より高度な守備指標が開発されている。それでも守備率は長年使用されてきた分かりやすい指標として、依然として重要視されており、ゴールデングラブ賞などの守備表彰の選考基準の一つとなっている。