野球用語辞典

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UZR

ゆーぜっとあーる

UZRとは「Ultimate Zone Rating」の略で、守備力を数値化した高度な守備指標である。従来の守備率では測れない守備範囲の広さや肩の強さを含めた総合的な守備能力を評価する。UZRは、打球の種類(ゴロ、ライナーフライ)、打球の方向、打球速度などのデータを基に、その選手がリーグ平均の守備者と比べてどれだけ多く(または少なく)アウトを取ったか、どれだけ進塁を防いだかを失点換算で表す。プラスの値が大きいほど守備が優れており、マイナスの場合は平均以下の守備力を示す。例えば、UZRが+10.0の選手は、平均的な守備者と比べて10点分多くチームの失点を防いだことになる。UZRは、守備位置ごとに算出され、外野手遊撃手など広い守備範囲が求められるポジションで特に重要視される。この指標により、目立たないが確実にアウトを取る守備職人や、逆にエラーは少ないが守備範囲が狭い選手を客観的に評価できるようになった。ただし、UZRにも限界がある。サンプル数が少ないと数値が安定しない、主観的な判定(ヒットエラーかの判断など)に影響される、ポジショニングの指示が反映されないなどの課題が指摘されている。それでも、UZRは現代野球における守備評価の中心的な指標の一つとして広く活用されている。日本プロ野球でも、UZRデータが公開され、守備力の客観的評価に利用されている。