野球用語辞典

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打高投低

だこうとうてい

打高投低とは、野球において打者有利で投手不利な状況や時代を表す用語である。具体的には、リーグ全体の打率が高く、ホームラン数や得点が増加する一方で、投手の防御率が悪化し、完投や完封が減少する傾向を指す。この現象は様々な要因によって引き起こされる。ボール反発係数が高い「飛ぶボール」の使用、打者の筋力トレーニングやバッティング技術の向上、投手の球数制限による中継ぎ投手の多用などが主な原因として挙げられる。日本プロ野球では2000年代後半から2010年代前半にかけて顕著な打高投低傾向が見られ、統一球導入前の2011年には特に打撃成績が向上した。また、球場の広さやフェンスの高さ、気候条件なども打高投低に影響を与える要素である。打高投低の時代には、投手の育成方法や起用法守備シフトの工夫などが重要視され、野球戦略全体に大きな影響を及ぼす。逆の状況は「投高打低」と呼ばれ、野球のバランスを保つために、リーグや球団はこれらの傾向を注視し続けている。