カキーン
かきーん
カキーンとは、バットがボールを捉えた際に発する金属音を表現する擬音語である。特に金属バットを使用する高校野球やアマチュア野球で顕著に聞かれる音であり、日本の野球文化を象徴する音の一つとなっている。「カキーン」という音は、打者がボールの芯をバットの芯で捉えた時に最も明瞭に響く。この音は、良い打球が放たれたことを示すサインであり、観客や選手にとって興奮を呼び起こす瞬間である。金属バットは木製バットと比べて反発係数が高く、甲高い金属音を発する。この音は球場全体に響き渡り、高校野球の夏の甲子園大会では、カキーンという音が無数に重なり合い、独特の雰囲気を作り出す。一方、プロ野球では木製バットが使用されるため、カキーンという音ではなく、より低く鈍い「カツーン」や「コツーン」といった音が聞かれる。木製バットの打球音は、金属バットとは異なる趣があり、プロ野球の重厚感を演出している。カキーンという擬音語は、野球漫画やアニメでも頻繁に使用され、ヒットやホームランのシーンを盛り上げる効果音として定着している。『タッチ』『ドカベン』『MAJOR』など多くの野球作品で、この音が印象的に使われている。また、テレビ中継でも、実際の打球音に加えて効果音が強調されることがあり、視聴者に臨場感を伝える演出として活用されている。カキーンという音は、単なる擬音語を超えて、日本野球の情緒と興奮を象徴する文化的記号となっている。