芯を食う
しんをくう
芯を食うとは、バットの最も打球が飛びやすい最適な箇所、いわゆる「スイートスポット」でボールを捉えることを指す野球用語である。バットには物理的に最も効率よくエネルギーが伝わる箇所があり、そこでボールを打つと手への衝撃が少なく、大きな打球音とともに鋭い打球が飛んでいく。芯を食った打球は、打者の手に振動がほとんど伝わらず、「無音」や「無感触」と表現されることもある。逆に芯を外すと、手がしびれるような感覚があり、打球も弱くなる。金属バットの場合は「カキーン」という甲高い金属音が鳴り、木製バットの場合は「カーン」という乾いた音が響く。芯を食うためには、正確なミート技術とタイミング、そして適切なバットコントロールが必要である。バットの芯の位置は、バットの先端から15センチから20センチ程度のところにあるとされ、この範囲でボールを捉えることが理想とされる。プロ野球選手や上級者は高い確率で芯を食うことができ、それが安定した打撃成績に繋がっている。芯を食った打球は、内野ゴロでも速い打球となり、外野まで運べば長打になりやすい。