グリップ力
ぐりっぷりょく
グリップ力とは、野球のスパイクシューズがグラウンド表面に対して発揮する摩擦力や食い込む力のことである。足元の安定性を決定づける重要な要素であり、投球動作、打撃フォーム、守備時の動き、走塁など、あらゆるプレーのパフォーマンスに直結する。グリップ力が高いと、急な方向転換やダッシュ、急停止時に滑りにくく、力強い動きが可能になる。金属スパイクは金属刃が地面に深く食い込むため最もグリップ力が高く、次いで樹脂スパイクやポイントスパイクとなる。グラウンドの状態によってもグリップ力は変化し、湿った土では金属スパイクが有効だが、乾燥した硬い土や人工芝では樹脂製スタッドが適していることもある。グリップ力が不足すると、踏ん張りが効かずスリップしてしまい、プレーの精度が落ちるだけでなく、転倒や肉離れなどの怪我のリスクも高まる。逆にグリップ力が強すぎると、足が固定されすぎて膝や足首に負担がかかる場合もある。適度なグリップ力を持つシューズを選び、グラウンド状況に応じて使い分けることが理想的である。