野球用語辞典

← 用語一覧に戻る

バットスピード

ばっとすぴーど

バットスピードとは、打者がスイングする際のバットの速度を指す。打撃において最も重要な要素の一つであり、速いバットスピードは打球の飛距離と速度を大きく向上させる。物理的には、打球の初速はバットスピードに比例するため、同じタイミングで同じ場所にバットを出せるなら、バットスピードが速い打者ほど強い打球を打つことができる。プロ野球選手のバットスピードは、トップレベルで時速150km以上に達する。バットスピードを高めるためには、下半身の力を効率よく上半身に伝える体の使い方、手首の返しのタイミング、前腕と上腕の筋力、体幹の回転速度などが関係する。単純な筋力だけでなく、無駄のないスイング軌道と体の連動性が重要である。近年、バット型センサーやモーションキャプチャ技術の発達により、バットスピードを正確に測定できるようになった。これにより、トレーニングの効果を数値で確認し、スイング改善に活かすことが可能になっている。バットスピードが速い打者は、投手の球を長く見極めてから振り出すことができるため、変化球への対応力も高まる。一方で、バットスピードだけを追求すると、スイングが大振りになり、ミート力が低下するリスクもある。理想的には、高いバットスピードと正確なミート力を両立させることが求められる。ホームランバッターと呼ばれる打者の多くは、突出したバットスピードを持っている。