打感
だかん
打者がボールをバットで打った瞬間に手に伝わる感覚のこと。バットの芯でボールを捉えた時の打感は、打者に「良い当たり」であることを直感的に伝える重要な感覚である。芯で捉えた時は衝撃が少なく、スムーズな感触があり、打球の質が良いことを示す。逆に芯を外すと、手にしびれるような不快な振動が伝わり、打球の勢いも弱くなる。木製バットと金属バットでは打感が大きく異なり、金属バットは芯が広く振動が少ないため、芯を外しても比較的良い打球が飛びやすい。一方、木製バットは芯が狭く、わずかなズレでも打感と打球の質に大きな差が出る。プロ野球で木製バットが使用される理由の一つは、この繊細な打感によって打者の技術を正確に反映するためである。打者は打感によって自分のスイングの良し悪しを判断し、調整を行う。打感を大切にすることは、バッティング技術の向上に不可欠な要素とされる。近年のバット開発では、打感の向上も重要な研究テーマとなっている。