コック

こっく

コックとは、投球動作やバッティング動作において、手首を親指側に折り曲げる動作を指す野球用語である。ピッチングにおいては、腕を振る過程で手首を背屈させることで、リリース時のボールの回転数を増やし、球速とキレを向上させる効果がある。トップの位置で手首をコックすることで、その後のリリースまでの加速距離が長くなり、より強い力をボールに伝えることができる。打撃においても、バットを構える際やスイング中に手首をコックすることで、バットヘッドの加速を促し、スイングスピードを高める効果がある。特にトップの位置でのコックは、パワーを蓄えるために重要な要素とされる。ただし、コックのタイミングや角度を誤ると、コントロールの乱れやスイングの軌道がブレる原因となる。プロ野球選手の多くは、自然なコック動作を身につけており、意識せずとも効率的な動作を実現している。コックを効果的に使うためには、手首の柔軟性と前腕の筋力が必要であり、適切なトレーニングとフォーム習得が求められる。