スチール

すちーる

スチールとは、走者が投手の投球動作中または捕手が返球する前に、次の塁へ進塁しようと試みるプレーのことで、日本語では「盗塁」と呼ばれる。野球における最も重要な攻撃戦術の一つであり、走者の俊足と判断力、投手の投球モーションやクセの読み、捕手の肩の強さなど、様々な要素が絡み合う高度なプレーである。最も一般的なのは一塁走者が二塁を狙うケースで、投手が投球動作に入った瞬間にスタートを切り、捕手が二塁へ送球するよりも早く塁に到達することを目指す。成功すれば得点圏に走者を進めることができ、チームの得点確率を大きく高めることができる。スチールの成功率は投手の投球モーションの速さ、走者のスタートのタイミング、走力、そして捕手の送球の正確性と強さによって決まる。また、二盗だけでなく三盗、本盗もあり、特に本盗は最も難易度が高く、決まれば試合の流れを大きく変える劇的なプレーとなる。現代野球では、単なる走力だけでなく、相手投手の投球リズムや癖を研究し、データ分析に基づいた戦略的なスチールが重視されている。