野球用語辞典

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三盗

さんとう

三盗は走者が二塁から三塁への盗塁を成功させることを指す野球用語である。二盗と比較すると試みられる頻度は低いが、成功すれば得点圏の最も本塁に近い位置に走者を進めることができるため、戦術的価値は非常に高い。三盗の距離は二盗と同じ27.431メートルだが、守備側の対応が異なるため、成功率や戦術的意味合いも変わってくる。三盗の最大の特徴は、捕手から三塁までの送球距離が二塁への送球よりも長いことである。これにより、走者には若干の有利さがある。しかし、三塁は本塁に近いため、守備側も警戒を強め、投手の牽制球も頻繁になる傾向がある。三盗を成功させるためには、投手の投球モーションの観察、捕手の肩の強さの見極め、そして三塁手守備位置の確認が重要となる。特に投手が三塁側を警戒していない隙を突くことが成功の鍵となる。三盗は試合終盤の僅差の場面で、確実に1点が欲しい状況で試みられることが多い。三塁に走者がいれば、内野ゴロ犠牲フライ、さらには捕逸や暴投でも得点できる可能性が高まるためである。ただし、アウトになるリスクも考慮する必要があり、特にツーアウトの場面では慎重な判断が求められる。プロ野球では、二盗ほど頻繁ではないものの、好機を見逃さない俊足の選手が三盗を決める場面は、試合の大きな見せ場となる。