二盗
にとう
二盗は走者が一塁から二塁への盗塁を成功させることを指す野球用語である。盗塁の中で最も頻繁に試みられるプレーであり、試合の流れを変える重要な攻撃戦術の一つである。二盗を成功させるためには、走者の優れた走力、スタートのタイミング、スライディング技術が必要となる。走者は投手の投球動作を観察し、投球モーションに入った瞬間に素早くスタートを切る。投手の癖を見抜き、盗塁しやすいタイミングを見極める能力も重要である。一般的に、投手の初動から捕手が二塁に送球し、遊撃手または二塁手がタッグするまでに約3.3秒から3.5秒かかるとされ、走者はこれより速く二塁に到達する必要がある。守備側は二盗を阻止するため、投手は牽制球を投げたり、クイックモーションで投球時間を短縮したりする。捕手も素早い捕球と正確な送球で対抗する。二盗は得点圏に走者を進める効果があり、その後のヒットで得点に繋がりやすくなる。また、盗塁を警戒させることで投手の集中力を分散させたり、守備側にプレッシャーを与えたりする心理的効果もある。アウトカウントや試合状況によって、二盗を試みるかどうかの判断は変わり、特にノーアウトやワンアウトで、後続打者が期待できる場合に実行されることが多い。プロ野球では盗塁王のタイトルがあり、シーズンで最も多く盗塁を成功させた選手に与えられる。