ピタゴラス勝率
ぴたごらすしょうりつ
ピタゴラス勝率とは、チームの得点と失点から期待される勝率を算出する統計的指標である。アメリカの野球統計研究家ビル・ジェームズが考案した計算式で、チームの得点を2乗した値を、得点の2乗と失点の2乗の合計で割ることで求められる。具体的には「得点²÷(得点²+失点²)」という式で表される。この指標の特徴は、実際の勝率と比較することで、チームが実力以上の成績を残しているか、あるいは実力を発揮できていないかを判断できる点にある。ピタゴラス勝率が実際の勝率より高い場合、そのチームは運に恵まれていない、または接戦に弱い可能性がある。逆にピタゴラス勝率が実際の勝率より低い場合、そのチームは運に恵まれている、または接戦に強い可能性が示唆される。セイバーメトリクスの基本的な指標の一つとして、チーム編成や戦力分析に活用されている。長期的には実際の勝率とピタゴラス勝率は収束する傾向があり、短期的な成績の浮き沈みを評価する際に有用である。