押し出しサヨナラ

おしだしさよなら

押し出しサヨナラとは、満塁の状態で最終回以降に四球や死球によって打者が一塁に歩き、三塁走者が本塁を踏んで試合が終了することを指す。これは野球における最も劇的で、かつ投手にとって最も屈辱的な敗戦の形態とされる。打者は何もしなくても勝利の立役者となり、投手はストライクが入らずに試合を終わらせてしまう。押し出しサヨナラは、投手の制球力の乱れや、プレッシャーに負けた心理状態を示すものとして捉えられることが多い。逆に打者にとっては、厳しいボール球を見極める選球眼が求められ、安易に手を出さない我慢強さが重要となる。また、満塁策として故意四球を選択した結果、次の打者に押し出しサヨナラを許すケースもある。押し出しサヨナラは、ヒットやホームランと異なり、攻撃側が直接得点を奪うのではなく、守備側のミスによって勝利が転がり込む形となるため、より劇的で印象に残る結末となる。プロ野球の歴史においても、数々の押し出しサヨナラの名場面が記憶されている。