DH制

でぃーえいちせい

指名打者制度（Designated Hitter制度）の略称で、投手の代わりに打席に立つ専門の打者を起用できる制度。日本のプロ野球ではパシフィック・リーグが1975年から採用しており、セントラル・リーグは採用していない。DH制の最大の目的は、打撃力の低い投手を打順から外すことで試合の攻撃力を高め、観客により多くの得点場面を提供することにある。投手は打席に立たないため打撃練習の時間を減らし、投球練習により多くの時間を割くことができる。また、打席での怪我のリスクや、走塁での体力消耗を避けられるというメリットもある。一方で、投手交代の駆け引きが少なくなり、戦略性が低下するという批判もある。DHには長距離砲タイプの選手や、守備は衰えたがバッティングはまだ一流の選手が起用されることが多い。交流戦やクライマックスシリーズ、日本シリーズではDH制の有無がホームチームの所属リーグに準じるため、セ・リーグのチームがパ・リーグの本拠地で戦う際にはDH制を採用することになる。メジャーリーグでは長らくアメリカン・リーグのみがDH制を採用していたが、2022年からナショナル・リーグでも導入され、両リーグで統一されている。