指名打者制
しめいだしゃせい
指名打者制(DH制: Designated Hitter Rule)とは、投手の代わりに打撃専門の選手を起用できるルールである。1973年にアメリカンリーグが導入し、その後パシフィック・リーグも1975年に採用した。このルールにより、投手は打席に立たず、指名打者(DH)が投手の打順で打席に入る。DH制導入の主な目的は、試合の得点力を高めて観客を楽しませること、投手を打撃の負担から解放して投球に専念させること、ベテラン強打者の活躍の場を広げることである。実際にDH制導入後、打高投低の傾向が強まり、試合の平均得点が増加した。一方、ナショナルリーグとセントラル・リーグは投手も打席に立つ伝統的なルールを長年維持してきたが、近年は国際試合や交流戦での統一化が進んでいる。DH制は投手の怪我リスク軽減にも寄与し、完投を目指しやすくなる利点がある反面、投手の総合力が測りにくくなる、戦略性が減るという批判もある。現代野球においてDH制は重要な制度として定着している。